僕は絶賛片思い中。田沼えりは僕に友情しか感じていないことがわかっていたので、友達の立場でいた。

それなのに、えりは最近新しく赴任してきた数学の教師に夢中のようだ。

男子教師
男子教師

先生なんだ、わかっているのか??と思うけど、そこは友人の僕は黙って言わずに耐えている。

今日もえりは数学教師とニコニコしながら廊下で話している。

ああ、その笑顔。罪だ・・・。
僕は自分の席で絶賛沈没中

「どうしたの?」
えりは僕を心配して話しかけにきた。

「いや、なんでもないよ」
僕は無理に笑顔をつくった。

「そう?」えりは僕の目をのぞきこむ。ああ、僕は彼女が好きなんだと思う。

「今日、塾行く?」僕が聞くと、先に行ってとえりが答える。
数学準備室に用事があるようだ。僕はまた不機嫌になった。

数学教師は僕とは違い大人で大学も出ている。
僕にはない。絶望的だ。

放課後、僕は恋の敗北を確信しながら、先に塾に行こうとしたが、最悪なことにあの数学準備室にクラスの提出物を届けることになってしまった。

えりがあの数学教師といちゃついてるとおもうと、決定的な瞬間前に数学準備室にいかなくてはとなぜか足がはやくなる。
中では案の定、えりの楽しそうな声がした。ぼくは意を決してドアをノックしてあけ、先生の顔も、えりの顔も見ないようにノートを置いた。

ぼくはドアを閉めると、全速力でその場を飛び出した。耐えられない。弱虫な自分を責めた。後ろからはえりが追いかけてきたのには気がつかなかった。

「待って!足、速い・・・」
えりは息を切らしながら僕に追いついた。

「あの、なんか誤解してるみたい」
えりは僕の顔を見ようとするが、僕は直視できず、視線を避けるような態度をとる。

えりは頭にきたようで、僕の顔を両手でつかみ、
「ねえ、わかってる?わたし、あなたがすきなの」
という。

ぼくはびっくりして何もいえずにいると、えりは 「わかった?」
とおでことおでこをくっつけた。

 

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