空港で、俺は彼女と向かい合って立っていた。
久しぶりに会う俺に対して、彼女はいつも冷たい。
俺は、仕事の関係で、普段は海外にいることが多い。彼女の姿を見るのは何ヶ月振りだろう。

ドラマー
ドラマー

彼女が俺に対して怒るのは当然だ。俺みたいに自分勝手な男なんて、愛想を尽かされて当然だ。
普段は仕事で目が回るように忙しくて、家に着いたらシャワーを浴びて寝るだけの生活を繰り返してきた俺に、付いてきてくれる人なんているはずがない。

電話一本、メール一通よこすこともない男に、何の言い訳ができるだろう。
俺は、彼女に合わせる顔がなかった。

思えば、俺は彼女に、風邪を引いて寝込んでいたことも、うつ病になったことも伝えていなかった。
“このまま終わりたくない。”
俺は咄嗟にそう思った。

そして、ふいに泣きそうになった。
このまま自分の気持ちを伝えられなかったら、俺は多分一生後悔する。

俺は、声を振り絞って言った。

「俺、鈍感だからお前の気持ちは判らないと思う。仕事人間だと思う。頑固だと思う。他の男よりも冷たいし、意地悪だし、最低な男だと思う。でも、俺はお前のこと、一生守りたいんだ。お前のこと、死ぬまで守り抜きたいんだ。

 

ライターリオ