小学校からずっと一緒だった男の子。
中学になる頃、お互いを意識してしゃべれなくなった。
恋のはじまりだ。

人混み
人混み

小学生の頃とは違う私たちの関係。
私たちは大切に大切にその関係を育てていた。

私は20歳になっていた。彼は大学生。
私は短大に進み、就職することになっていた。

社会人と学生。住む世界が違うことなんて、私たちはうまく乗り越えられると思っていたが、だめだった。彼にはまだ仕事という世界が理解できていなかった。

恋が終わりに向かっている。私たちはそう感じていた。 でも、私は彼が戻って来てくれるのではないかと淡い期待をしていた。

長い年月を過ごした仲だ、切れるはずがない・・・。

でも、ある日彼からメールがきた。
別れようの一言。
やっぱりなと思った。。どうしようもない。どうにもできない。
わたしは前を向いて歩き始めた。

数年経ち、私は通勤途中で彼を見かけた。
彼はスーツを着ていた。大人になったんだなと思った。

しばらくすると彼はこちらに気がつき、人ごみをよけながらも慌てて私に近づいてきた。

「おまえじゃないとだめなんだ。わかったんだ。また会ってほしい」
彼は息を切らせながら、私にささやいた。

「好きな人がいても、付き合っている人がいても、俺はお前を取り戻す」
彼はそう宣言していった。

彼と新しい関係が始まる予感がした・・・

 

ライターringring