彼を見かけたのは、友だちの赤ちゃんが生まれたと知り、赤ちゃんを見に行った病院でした。

好きな人ができても、すぐに気持ちが覚めてしまいがちな私は誰かと付き合った経験もあまりなく、子どもは好きだけど、結婚どころか、恋人もできないのかなと悩んでいた頃のこと。

赤ちゃん
赤ちゃん

年は私と同じくらいか、少し下くらいで、目元がスッとしていて、きれいな印象がありました。

あまりにも見とれていたらしく、生まれたばかりの赤ちゃんを抱いた友だちから少し冷やかされ、話してみたら、とグイグイ背中を押される始末。

知り合いでも何でもないのに失礼だしやめてよと話していると、私たちに気づいた彼は、にっこり笑いかけてくれました。

そして、友だちが抱いている赤ちゃんを見て、かわいいですね、と一言。
気をきかせたつもりなのか、友だちが子ども好きですか?と尋ねると、そうですね、とほほ笑んだ彼。

その一瞬でパッと恋に落ちてしまった。

私は思わず、「私も好きです」
と言ってしまいました。

その瞬間に友だちの赤ちゃんは泣き出し、私は赤っ恥。
消えてしまいたくなった時、クスッと笑ってくれた彼に救われた気がしました。

 

ライターりんごもり