場所は学校で、文化祭の前日。ギリギリまでみんな準備している中、わたしは気になっている彼と看板の色塗りをしていた。
もうこの作業も今日でおしまいだねーなんて話す彼、わたしは寂しかった。

同級生
同級生

明日の文化祭が終われば普段通りの学校がはじまる。こうして彼と長い時間一緒にいられるのはあとわずか。

「ねえねえ」
わたしはつい彼に声をかけてしまった。
「ん?なに?」首をかしげる彼。

特に言いたいこともなかったので、無言の時間が続く。

「俺さ、お前と仲良くなれてよかったわ。」
彼が笑う。体が熱くなる。

「文化祭最初はメンドクセーなーって思ってたんだけど、お前と看板作ったりしてたらいつの間にか熱中してたわ。」
赤くなる顔、まるでまわりには誰もいない二人の世界だった。

「あれ…。」ふと周りを見回すとみんながいない。
みんなどうやら文化祭の設営のためにいなくなってしまったらしい。

「よし、やっとみんないなくなったな。これでようやく心の内が話せるぜ。」

「え?」

「おれ、お前のこと好きだから看板づくり手伝ってんだよね、じつは。」

まさかの展開に手汗が止まらない。

 「えっ…どういうこと…?」
不意に出る声は震えていたに違いない。

「周りの奴らに協力してもらったんだ。看板の係やらせてくれんなら文化祭手伝うよって言ったんだ。」
いま教室に二人きりなのはたまたまだけど、みんな応援してくれたんだ。

「本当は勇気なんて出ないし正直なに言ってんだ気持ち悪いとか思われちゃうかなって思ったんだけど、あぁはじめてなんだ告白とか。

「粋がってみたけど…なかなか二人になれる機会がなくて伺っていたんだ…。」

わたしの目からはぽろぽろと涙が溢れていた。
「わたしも好き。」
彼の顔がパッと明るくなる。

「ぶ、文化祭終わっちゃっても一緒にいてくれるの?」
「俺もそれ心配してた、なかなか話せなくなんじゃないかなーって。」

「ううん、一緒にいてほしい。」

明日の文化祭が初デートになったのでした。

 

ライターそいめ